監視カメラ構築

市販のネットワークカメラと自作のサーバーを用いる事で、とても安価に24時間連続録画システムが構築できます。実際に構築・運用を行って みました。
更新日 2016-02-13

概要

監視カメラは防犯設備としては大変に効果的です。ところがコストがとても高く、維持管理も面倒で、しかも画質がやや不鮮明であるという事もあり なかなか敷居が高いと思われます。ところが最近めっきり安くなった高性能なネットワークカメラやPCサーバーを用いることで、非常に安価にしかも 高性能な防犯カメラシステムが構築できます。

高画質な映像

35万画素程度のカメラでも大変きれいに撮影されます。VGA 解像度(640x480 ドット)で毎秒30フレーム(この速度が重要)を実現するMPEG4 エンコードならば 十分に実用レベルです。画像のエンコードをカメラ内部で行い、サーバーにどんどん保存してゆきます。サイズも小さく、24時間録画で 2ヶ月以上の映像を残しても700GB 程度です。2TB のHDD でも一万円程度ですから、ぜんぜん余裕です。

ネットワークカメラ

コレガのCG-NCM4 を利用します。実売は 16,000 円程度です。カメラ単体でエンコードとサーバーへの保存が行える完全なスタンドアロンなネットワークカメラです。電源ケーブルの延長は線を買って自分で敢行します。無線を使わないのは、常時録画を意識した 接続の安定性の優先とコストの問題でしょうか。無線LAN を使おうと、どうせ電源ケーブルは取り回ししなくてはいけませんからね。壁や天井への取り付け具は 付いてきます。
このカメラは実質小型のパソコンであり、単体でネットワーク接続からメール転送、Web 経由での公開まで何でもできます。赤外線LED も装備していて、 完全な暗闇でも録画可能!月明かり程度なら広範囲を捕らえる事ができます。すごいでしょ?(ただ音声が入らないのが難点)赤外線LED 投光器を別途 用いればさらに鮮明に写ります。
いわゆるUSB 接続のWeb カメラと違うのは、MPEG4 エンコードをカメラ自身がやってくれるという事。だから毎秒30フレームの高画質を安定して実現しています。 スピーカー接続すれば、カメラに音声を送る事もでき、双方向音声通信が可能です。

屋外用自作


屋外用に市販のアクリル板でケースを自作してみました。小さな穴は放熱用で、アルミ板を張ってあります。上部のアルミ板は直射日光対策ですが、できる限り 日陰に設置した方がよいでしょう。これでも雪が積もる日から真夏日まで一度も止まった事はありません。
なお今回は広角レンズ(トダ精光 ケータイレンズ K-701 WIDE0.5倍 アルミミウム製 シルバー)を装着しています。このカメラの本来の撮影幅は45度です。 これを付けると90度になりますが、周辺映像は多少ボヤけた感じになります。

サーバー

Linux サーバーでSamba によるファイル共有を公開すれば、そこにネットワークカメラから保存するように設定できます。常時録画システムですから PC サーバーも常時起動です。この構築にはLinux の知識がいりますから敷居が高いです。いわゆる市販のNAS といった品でもいけそうですが、未確認。 NAS ならスイッチオンと設定くらいですから楽チンでしょうね。ちなみにatom330 ベースのSamba サーバーにカメラ4台の映像を落としても負荷はほとんどかかりません。
ネットワークストレージへのアクセスにはsamba-client が使われていると思われます。例えばWindows で公開している共有フォルダに対して以下で マウントできれば、CG-NCM4 からも利用できるという訳です。
smbclient "//WindowsIP/共有フォルダ名" -U "username%password"
1万円程度の安価な無停電電源装置でも組み合わせれば、停電時でも録画システムを運用できます。隙がありませんね。

録画を再生する

保存された動画は設定により、10分単位でavi 形式でネットワークストレージ(今回はSAMBA サーバー) に自動で保存されていきます。撮影時刻も画像に入っています。 どのコンピュータからでもサーバーのフォルダにアクセスできるなら、いつでもどこからでも録画データを再生できます。Web カメラにアクセスすれば(Web サーバー機能を持っている!)、 ブラウザ上でリアルタイムの映像が見れます。(この場合は音声が聞き取れますし、そこで録画保存しても音声が録れます)
またテープと違うから、すぐに何度でも再生できます。決定的瞬間をプリントアウトしたりDVD に保存できたりします。

応用

録画する以外にもいろんな使い道があるのがNCM-4 の利点です。

モーション反応撮影を行う

コレガ NCM-4 ネットワークカメラ
常時録画をしながら、モーション反応(画像の特定の部位の変化)に応じた処理を行う事もできます。例えば夜間はセンサーライトと組み合わせる事で、人や車が通る度に映像が画像として ネットワークストレージに保存されてゆきます。エクスプローラーで画像をサムネイル表示できるため、確認も容易です(その時刻から録画動画を重ねてチェックするのにも重宝します)。 またメール転送等もできますのでケータイでリアルタイムに受信する事も可能です。
反応範囲は任意の矩形で2つまで設定でき、反応レベルもそれぞれ任意に設定できるため精度は非常に高いです。 処理を行いたい時間帯の設定も柔軟で、曜日毎に複数の任意の時間帯を細かく多数設定する事もできます(例:平日は早朝と深夜、土日は終日等)。
特にセンサーライトも併用すれば夜間でもモーション感知できます(ライトで映像が劇的に明るくなる事に反応する為)。

ブラウザで見る

オリジナルのHTML を書き上げる事で、リアルタイムの映像をそのまま並べて見る事ができます。VGA 画質なのでフルHD ディスプレイなら最大6画面は表示できます。マルチモニタにして、常に 表示させておけば大変便利です。監視カメラ用サンプルHTML ソース (アドレスやアカウントコードは独自の物に変更しないといけないかも)

外部から見る

ポートフォワードをルーター(CTU等)に設定すればインターネット経由でも見れます。ただポートフォワードでポート番号も異なる場合、繋がる事はつながりますが映像がでない事があります。これは映像を 出すActiveX の記述部がデフォルトのポート番号80のままだからでしょう。 上記の監視カメラ用サンプルHTML ソースを見て修正を施したものを自前で用意するか、もしくはカメラの設定で使用するポート番号を 変更する(つまりポートフォワード時にも同じポート番号で通す)ようにします。
OpenVPN を経由して見る事もできます。Web カメラに割り当てたIP アドレスのサブネットマスクをOpenVPN 先のLAN からも見えるように広げておけば(例えば255.255.0.0) 、他所のLAN からも普通に見れます。

CS-TX05FM を使ってみる

Planex から出てるCS-TX05FMを使ってみます。Amazon では随分と値下がりしてて5千円切ってます。これだけ安いと不安な位です。試してみます。

スペック概要

640x480 の解像度で30fps は出ます。また1280x1024 の高解像度では15fps になります。この解像度になると、服のシワまで判別できます。H264 の高圧縮でファイルサイズは 小さくなります。
赤外線投光機能は無いので、夜間は苦手です。もっともNCM-4 でも夜間の屋外撮影は無理なんですが。センサーライトと併用すればそこそこ使えます。
NAS への保存も可能です。しかしモーション反応で最長1分程度なんです。24時間の連続撮影はできません。なぜ出来ないのかというと、これはもう仕様だからです。 なぜこのような制限を講じたんでしょうか。残念でなりません(ファームウェアの更新も無いし)。ただしパソコンでビューワーを立ち上げれば、そこから常時録画はできます。
モーション反応でNAS への録画の他、メール、FTP、SD カードへの保存も可能です。またOpenVPN を経由してリモートで見る事もできました。またカメラ単体でもDynamicDNS の類で 見れるようです。

運用

NCM-4 は古く在庫限りとなりつつあるなか、なかなか良い後継機が見つかりません。NCM-4 に比べると使いにくい点もありますが、価格の安さは抜群です。

iPhone から見る

iPhone アプリもメーカーから出てまして、固定IP もしくはDynamicDNS で見る事ができます。これは簡単で便利です。

「Qwatch」TS-WLC2 を使う

I/O DATA から出ている「Qwatch」TS-WLC2 を使ってみます。最新型だけあって素晴らしい画質(1280X720)、大きな画角(90度)、暗視機能を備えます。高出力の赤外線LED を搭載しているので、 夜間の屋外でも2〜3m 以内の距離で顔の判別が可能なほどです。

NAS に録画する

なかなか付いて無いNAS への直接保存機能が付いてます。常時録画は可能ですが、なぜかスケジュール録画では24時間が指定できません。00:00 〜 23:59 という範囲なら可能なんですが…。 サポートに問い合わせると、カメラの管理画面から録画ボタンをクリックしてくださいとの事でした。カメラを再起動したら、忘れずに録画ボタンを押さないといけません。
モーション検知録画も可能です。

結論

業者に頼んで施工してもらうとビックリするほどのコストがかかります。旧式のカメラやテープ録画システムでウン十万からかかるはずです。ところが 上記のシステムなら5万円でおさまります。カメラの追加も実に簡単です(ちゃんとカメラ毎にフォルダを作って保存されるから)。店舗への設置なら、 十分に費用対効果が見出せるのではないでしょうか?
留守にしがちな戸建て住宅においても、有効でしょう。来訪者や不審人物の映像を瞬時に携帯に転送させたりといった事も可能です。確実に導入の敷居は今や ぐっと下がっています。

余談

まさかの事件の捜査資料にと、この外向きの監視カメラの映像の提供を求められました。深夜でもセンサーライトとの併用でバッチリ残っており、その反応は静止画でも残っています。ファイルに保存された 動画データは自由に再生(早送り・巻き戻し)ができ、非常に効率的です。結局2時間ほどかけて自宅のパソコンを使い、前日深夜から早朝までの映像を全て見て行かれました。警察の人も鮮明な映像で スゴイとお褒めの言葉を戴きました。